2024年12月11日
エンジニアプラットフォームを提供するファインディ株式会社(東京都品川区、代表取締役:山田 裕一朗、以下「当社」)は、2024年11月26日(火)に「アーキテクチャConference2024」を開催しました。本カンファレンスは、ベンチャー企業から大企業まで幅広い規模・分野のアーキテクチャに関する最新の知識と実践事例を共有する場としてオンライン・オフラインのハイブリッドで開催し、計1,600名以上が参加しました。
エンジニアリングの環境変化は年々加速し、アーキテクチャを構成する組織やツールも多様化しています。また経済産業省は、「2025年の崖」が迫る中でアーキテクチャ設計を行える人材の必要性に言及しています(※)。そのような中、正解のないアーキテクチャ選定・開発は、開発者体験や品質向上の観点から重要性を増しています。こうした背景を踏まえ、当社は11月26日(火)に「アーキテクチャConference 2024」を開催しました。当日は会場にて815名、オンラインにて838名が参加しました。カプコン社やイオン社をはじめとした9社の特別登壇含め全32セッションの発表が行われ、会場では100件以上のアーキテクチャ事例を掲示し、大盛況のうちに幕を閉じることができました。
・各社のアーキテクチャ事例は開発ツールのレビューサイト「Findy Tools」にも掲載しています
※経済産業省 「レガシーシステムモダン化委員会について」2024年9月12日(P20)
世界中の数多くのエンジニアが影響を受けたソフトウェア開発者にとって必携の一冊『ソフトウェアアーキテクチャ・ハードパーツ―分散アーキテクチャのためのトレードオフ分析』の著者であるNeal Ford(ニール・フォード)氏が来日し、登壇。「分散アーキテクチャにおける現代のトレードオフ分析と今後のソフトウェアアーキテクチャの展望」をテーマとした会場限定のセッションにて、計477名が参加しました。
発表概要
ソフトウェアアーキテクチャにおけるトレードオフ分析の重要性と実践的な手法について解説されました。トレードオフはソフトウェアアーキテクチャのあらゆる決定において不可欠であり、反復的な分析を通して最適な設計を見出す必要があるとNeal氏は主張します。講演では、アーキテクチャとデザインの区別、マイクロサービスにおける粒度設定、そして意思決定における落とし穴(ベストプラクティスへの過信など)を具体例とともに解説し、分解と統合のためのツールも紹介しています。最終的には組織の目標を明確にした上で、定性的・定量的分析に基づいた継続的なトレードオフ分析が重要であることに言及しています。ソフトウェアアーキテクトや開発者が、より良いシステムを設計・構築するために役立つ貴重な知見が発表されました。
Neal Ford氏の発表資料はこちら(その他のセッション資料も閲覧可)
12月末にはアーカイブ動画公開予定
https://findy-tools.io/events/archives/architecture-con-2024/1/materials
登壇後には当社の独占インタビューにて、Neal氏より今回の登壇を決めた背景や参加者へのメッセージなどのコメントをいただきました。
アーキテクチャConferenceへの登壇を決めた理由
日本には以前から来てみたいと思っていましたが、何よりも私が勤めるThoughtWorks社は、世界中のソフトウェア開発環境をよりよくすることを企業使命としています。よりよくすることで、何よりもすべての人にとって良いことだと考えているからです。
そのため、こういったカンファレンスで講演することを重視しています。 |
参加者へのメッセージ
みなさんにお伝えしたいことが2つあります。企業のソフトウェアアーキテクトとして成功するために重要なことの1つが、カンファレンスへの参加です。外部の知識を得るために、専門家の話を聞いたり、近い将来もっと時間をかけて投資すべきことを見つけたりするには、効率的な素晴らしい方法です。
もう1つ、他の技術職以上にアーキテクトにとって重要なのは人脈作りです。アーキテクトは社内で一匹狼であることが多く、ソリューションについて相談できる仲間がいないことが多い。オライリーでこのことに気づき、多くの人のネットワーキングの機会を創出してきました。実際、ボストンで最初のオライリー・ソフトウェアのアーキテクチャ・カンファレンスを開催しました。参加者は最後まで会場に残ってネットワークを作ろうとしていたし、それをすごく望んでいることが分かりました。 アーキテクトにとってこれは重要なことで、同じくアーキテクトをやっている他の人や似ている会社を見つける必要があるし、いずれどこかで仕事のチャンスにもなるかもしれない。だからネットワーキングの機会が必要なのです。カンファレンスは、そのための最良の方法です。ソフトウェア開発における他のどの職種よりも、アーキテクトにとって有益だと思います。 |
インタビューの様子(画像左:当社 Developer Relations室 会員基盤 チームリーダー 山田 郷、右:Neal Ford氏)
Neal Ford(ニール・フォード)氏 プロフィール
Thoughtworks社 ディレクター、ソフトウェアアーキテクト、同社のMeme Wrangler。
2022年10月にオライリー社から日本語訳が発売された現代的なトレードオフ分析とその実践を学べる書籍「ソフトウェアアーキテクチャ・ハードパーツ―分散アーキテクチャのためのトレードオフ分析」の著者。同書は、現代のソフトウェアアーキテクチャに関わるソフトウェア開発者にとって必携の一冊と言われる。Neal Ford氏は、同書以外にもアーキテクチャに関する複数の本を執筆。
Neal Ford氏の専門は、大規模エンタープライズ・アプリケーションの設計と構築。グローバルに講演活動を行っており、世界700を超えるカンファレンスにて講演を行う。
当社では、今後もアーキテクチャに関する学びの機会を創出するために、2024年12月以降もイベント・勉強会等を開催していきます。また今回のアーキテクチャConferenceをさらに進化させ、2025年11月20日(木)・21日(金)の2日間でベルサール羽田空港にて開催することを決定しました。
【今後の予定】
・2024年12月17日(火) 12:00-13:15
【オンラインイベント】
モノタロウCTOとマネーフォワードVPoEが語る「大規模リアーキテクチャ」
登壇者:
・株式会社MonotaRO CTO 普川泰如
・株式会社マネーフォワード ビジネスカンパニー VPoE 黒田翔太
URL:https://findy-tools.connpass.com/event/337021/
・2024年12月24日(火) 12:00-13:15
【オンラインイベント】
【アーキテクチャと組織の変遷】スピードとスケーラビリティの両立-基盤刷新・モジュラモノリスの行先-
登壇者:
・株式会社LIFULL CTO 長沢翼
・株式会社タイミー テックリード 新谷哲平
URL:https://findy-tools.connpass.com/event/338716/
・2025年11月20日(木)・21日(金)
アーキテクチャConference 2025 @ベルサール羽田空港
ビジョンである「挑戦するエンジニアのプラットフォームをつくる。」を目指して、今後もエンジニアにとって有益な各種カンファレンス・イベント等を展開していきます。
◆ファインディ株式会社について